砂の上の足跡
昨夜の「至福の部屋クラス 忘年会」で、ご紹介させていただいた詩です。
1970年代に作者不詳として広まったもののようです。
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ある晩、男が夢をみていた。
夢の中で彼は、神と並んで浜辺を歩いているのだった。
そして空の向こうには、彼のこれまでの人生が映し出されては消えていった。
どの場面でも、砂の上にはふたりの足跡が残されていた。
ひとつは彼自身のもの、もうひとつは神のものだった。
人生のつい先ほどの場面が目の前から消えていくと、彼はふりかえり、砂の上の足跡を眺めた。
すると彼の人生の道程には、ひとりの足跡しか残っていない場所が、いくつもあるのだった。
しかもそれは、彼の人生の中でも、特につらく、悲しいときに起きているのだった。
すっかり悩んでしまった彼は、神にそのことをたずねてみた。
「神よ、私があなたに従って生きると決めたとき、あなたはずっと私とともに歩いてくださるとおっしゃられた。
しかし、私の人生のもっとも困難なときには、いつもひとりの足跡しか残っていないではありませんか。
私が一番にあなたを必要としたときに、なぜあなたは私を見捨てられたのですか」
神は答えられた。
「わが子よ。
私の大切な子供よ。
私はあなたを愛している。
私はあなたを見捨てはしない。
あなたの試練と苦しみのときに、ひとりの足跡しか残されていないのは、
その時はわたしがあなたを背負って歩いていたのだ」
作者不詳
人生には、ときにどこまでも暗い闇夜のような瞬間があります。
「このまま消えてしまいたい」
「このまま死んでしまうかもしれない」
そう思う瞬間があります。
あなたが最も困難な瞬間を歩んでいるとき、ひとりきりだと感じるときこそ、あなたを見守り、支えている存在がいます。
その「ひとりの足跡」は、あなたが諦めずに進み続けた証でもあり、あなたを背負ってくれる存在がいた証でもあります。
苦しみの中にあっても、それでも歩みを止めない何かが、そこにあります。
あなたの心に宿る光は、どんな嵐にも消えない力を持っています。
だから信じてください。
あなたの歩む道がどれだけ過酷なときも、険しいときも、困難なときも、その出来事には意味があり、その出来事を通じて開かれていく扉が、必ずあるのだと。
あなたは決してひとりではありません。
どんな試練も乗り越える強さと愛と光が、あなたの中に宿っています。
暗闇を照らす一筋の光が、あなたの中に宿っています。
どうかその一歩を信じて進んでください。
新しい朝が、あなたのために必ず訪れます。
今日もあなたのことを応援しています。
